| 9点句 |
春の泥ふくれっつらを指で押す |
一人 |
特選 |
きっこ |
季語の力で、腕白な男の子が見えて来ました。別の季語であれば、へそを曲げた彼女のようにも読める描写なので、季語が生きていると感じました。 |
| 特選 |
子子 |
はい、私ふくれたホッペタを押すのが大好きです。 |
| 選 |
喜誉司 |
写真っぽく感じました。 |
| 選 |
齋藤朝比古 |
景が目に浮かびます。 |
| 選 |
夜来香 |
こうゆうラブラブさ加減は、見ていて気持ちがよいです。春の泥の取り合わせがとてもいい。 |
| 選 |
たか志 |
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| 選 |
一文無 |
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| 感想 |
白井健介 |
「春の泥」よりもっとしっくりとくる上五がきっとあるはず。各段に佳い句になりうると思います。 |
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| 7点句 |
| うすらひの浮力に触れてをりにけり |
齋藤朝比古 |
特選 |
冬音 |
淡い春が溶け出そうとしている微妙な感をよく表していると思います。 |
| 特選 |
雫 |
うすらいの浮力。どれほどの浮力なのでしょか。初春の微妙な気候。でも、春はそこまで。 |
| 選 |
きっこ |
微妙な感覚を巧く言いとめていると思いました。 |
| 選 |
Ken1 |
指先で文字を読むことは知られているが、<浮力>までを感知するとは。この微妙な感覚は凄い。そう、実はさまざまな浮力に満ちているこの世でもあることを。 |
| 選 |
一人 |
もう溶け出した薄氷を指でつつく。ちぎれて水の上に漂っているだけの氷は思ったより強い力で浮かぼうとしているのだろう。 |
| 感想 |
白井健介 |
「をりにけり」がちょっと大仰かなぁという印象を私は受けたのですが。 |
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| 6点句 |
| 手を伸ばし虹の端から火をつける |
山口あずさ |
特選 |
青河馬 |
なんか格好いいです。 |
| 選 |
夜来香 |
どんな花火になるのでしょう。見てみたい。 |
| 選 |
一文無 |
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| 長靴の母が手で呼ぶ蕗の薹 |
青河馬 |
特選 |
草もち |
ふきのとう、おいしいですよね。一寸苦いところがまた大好きです。「ふきのとうがあったよ!」と呼ぶお母さんの手。ささやかな春の喜びが表れています。 |
| 選 |
きっこ |
下五の逃がし方が巧いですね。類想は多いでしょうが、好きな句です。 |
| 選 |
一人 |
いかにもありそうで、実際にはなさそうな一場面。手で呼ぶのに蕗の薹ほど格好なものはないのかも知れないが。 |
| 選 |
たか志 |
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| 選 |
一文無 |
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| 5点句 |
| 前肢でありし手を見る春浅し |
Ken1 |
特選 |
齋藤朝比古 |
人間も昔は四足で歩いていた時代もあったのだった。そうかぁ、手は前肢だったんだ。 |
| 選 |
草もち |
私たちの身体に「動物」である部分を見出すとき、というのは確かにあると思う。 |
| 選 |
松たかし |
わかりやすい句の並ぶ中で、ちょっと理屈の勝った句。その着想に1票。 |
| 選 |
山口あずさ |
はい。元は猿です。 |
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| しやぼんだま手塚治虫の鼻ほどに |
きっこ |
特選 |
白井健介 |
〈しやぼん玉〉を詠んだ句として異色なうえに「手塚治虫」にて「手」を詠み込むという周到さ、脱帽です。手塚治虫氏がご自身を描いた時の例のあの顔の“まるい鼻”が彷彿とする。こんな手を考えつくとは凄い…讃。 |
| 選 |
草もち |
絶妙のたとえ。脱帽します。 |
| 選 |
夜来香 |
どのくらいの大きさなのかがようくわかりますね。 |
| 選 |
たか志 |
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| 立春に卵を立てる鬼と棲む |
松たかし |
特選 |
Ken1 |
昨夜節分で追い払った筈の鬼が、人なつっこく隣に座って、ほらこの卵立ったろう!今年も好いことあるよ、と屈託無く話しかけてくる。卵なんか何時でも何処でも立つんだよ、と言いかけて止した。何とも可愛い鬼が、こんなにもサービスしているんだもの。 |
| 選 |
山口あずさ |
昔、国語の教科書に立春じゃなくても卵は立つという話が載っていた。家の冷蔵庫の卵を取り出してやってみると、たまたま表面に小さな突起のある卵で、いとも簡単に卵は立ったのだった。 |
| 選 |
青河馬 |
でも好きなんですね。 |
| 選 |
一文無 |
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| 心配性といふ身勝手春の塵 |
白井健介 |
特選 |
たか志 |
|
| 選 |
夜来香 |
自分の母親がまさにそうなので、苦笑しました。あったかいようなうっとうしいような春の塵を持ってきたところもグッド。 |
| 選 |
喜誉司 |
この切り口だと確かにうざったそうですね。 |
| 選 |
青河馬 |
うーーんわかるなあ。 |
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| 4点句 |
| 百姓に嫁ぎし母のげんげ草 |
青河馬 |
特選 |
一文無 |
|
| 選 |
松たかし |
「長靴の母」もありましたが。「母」の年輪を感じました。 |
| 選 |
雫 |
雨の日も風の日も、米や野菜を作り続けた母の手と、米が育つであろう田に咲くげんげ草。 |
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| 文鳥の薄き瞼や春浅し |
草もち |
特選 |
山口あずさ |
発見ですね。 |
| 選 |
きっこ |
「薄き」と「浅し」が引っかかりましたが、早春のイメージが丁寧に詠われている描写に惹かれました。 |
| 選 |
一人 |
早春の部屋の風景。鳥の薄い瞼はいかにも肌寒そうだ。 |
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| 黒板を何度も拭いて卒業す |
たか志 |
選 |
きっこ |
学級委員だったのでしょうか。こう言う句は、このくらいツイているほうがいいですね。 |
| 選 |
白井健介 |
ユーミンの『最後の春休み』の歌詞に「もしも出来ることなら、この場所に、同じ時間に、ずっとずっと踞っていたい」というふうなものがある。そんな気分が、さして意味の無いこととは思いつつも「黒板を何度も拭いて」完全にきれいにしてみたりさせるんだよね。何とも言いようのない“ふわふわした中にくるまれながら御し難く切ない”卒業間近のあの感覚を私のなかに甦らせてくれたほろ苦い一句。 |
| 選 |
Ken1 |
そうだよ。愉しかったことも消してしまいたいことも一杯。これは黒板拭きじゃなくて、雑巾で<何度も>拭いたに違いない。でもこうしてサラの黒板になると、後輩がここに新しく何を書くか、そうして自分は胸にしまった黒板にこれから何を書いていくことだろう。 |
| 選 |
松たかし |
こんな若々しい句もいいですね。こころ洗われます。 |
| 感想 |
齋藤朝比古 |
つい最近「黒板をきれいに拭いて大試験」という句を作ったばかりだったのでちょっとびっくり・・・ということは残念ながら類型なのだろう。 |
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| 3点句 |
| 風船をくはへ I LOVE YOU と手話 |
きっこ |
選 |
白井健介 |
放せば飛んでいってしまうヘリウム入りの「風船」の糸を一旦「くはへ」た、というこの省略はすんなりと受け取れて無理な感じがないですし、この場面では英語の「手話」だった訳だからあいては外国の人ってことでしょ。さりげなく組み込まれた意外性が心地好かった。 |
| 選 |
齋藤朝比古 |
風船はあまり季節感を感じない使われ方が多いのだが、この句は明らかに春の季感。あたたかい。 |
| 選 |
青河馬 |
冬のソナタみたい。 |
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| ふらここの遠心力にねぎらはる |
白井健介 |
選 |
青河馬 |
童心ってよいです。 |
| 選 |
一人 |
勢いのついたブランコは漕がなくても運動し続ける。それを「ねぎらはる」と表現した作者の感性。 |
| 選 |
齋藤朝比古 |
ねぎらはるは上手い表現。大人になってから乗るふらここってこういう感じなのかも。 |
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| 春の雨裸婦像の手は空へ伸ぶ |
齋藤朝比古 |
特選 |
一人 |
あのまっすぐに伸ばした裸婦の手は何を掴もうとしているのだろうか。まるで空に「希望」と書いてあるかのように。 |
| 選 |
山口あずさ |
優等生的な俳句のような気もするが、清々しい。 |
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| 高層に五目焼きそば待つ日永 |
白井健介 |
特選 |
喜誉司 |
待つだけのことはありそうな焼そばなんですね。 |
| 選 |
子子 |
なんか、いつかの私みたい。。。 |
| 感想 |
齋藤朝比古 |
新宿聘珍樓だろうか。この五目焼きそばは高級。季語がちょっとつき過ぎなのが残念。 |
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| 春の雨連帯といふ時代あり |
青河馬 |
選 |
草もち |
春闘ももう過去のものとなりましたね。いちおう、今でも「組合員」である私です。 |
| 選 |
山口あずさ |
気分が伝わってきます。 |
| 選 |
松たかし |
懐かしいと感じるのは50代。 |
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| 啓蟄や低くなりたるバカの壁 |
一文無 |
特選 |
夜来香 |
この本、読んでいないのですが、バカの壁だけは、高くあってほしかったなぁと思います。 |
| 選 |
冬音 |
季語と馬鹿は似合ってますね。 |
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| 春の蟻なぞるは吾の手相かな |
夜来香 |
選 |
冬音 |
働き者のアリは運命線をも越えていきましたとさ。 |
| 選 |
Ken1 |
<手相>と見たので面白みの手応え。で、蟻はどう占ったのかなぁ。 |
| 選 |
子子 |
なんか、とってもくすぐったそう。 |
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| 2点句 |
| 無と有の間に置きし手の予感 |
喜誉司 |
選 |
子子 |
なんの予感だったのでしょう? |
| 選 |
Ken1 |
この<予感>って何だろうと思いながら、確かに<予感>が伝わってくる。もうバクチだね。オールorナッシング。さぁどうする。しかしまた、そこに手を置いたために有無あい生じたとも言える。偶然にも何らかの境界を。 |
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| 隙の無きてのひらにあり花の種 |
齋藤朝比古 |
選 |
冬音 |
こぼしたくない気持ちわかります。 |
| 選 |
たか志 |
|
| 感想 |
白井健介 |
採りたい句でしたが「あり」が玉に瑕という感じがして……これを何とか削れればとても好きな句なんですよ。私ならいっそ《隙の無き汝がてのひらに花の種》と言っちゃうとか、そんなふうに思います。ダメかな? |
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| 梅の下埋まるは黄昏かもしれず |
一人 |
特選 |
松たかし |
梅の下に思いを寄せることはなかった。そうですか。黄昏がありますか。 |
| |
| 1点句 |
| 春寒やタクシー止める手の真直ぐ |
草もち |
選 |
白井健介 |
「タクシー止める」時に「真直ぐ」「手」を挙げる光景を目にするというのはあまりないかもしれないからこそ一句として些か印象的であるかとも思う。私は勝手にきれいな女性を連想しちゃったりしてるけど。 |
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| 手に掬ふすべなきものや風光る |
Ken1 |
選 |
草もち |
はっきりしない物言いが、効果的だと感じました。 |
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| 坂の上ライトアップの枝垂れ梅 |
芽実 |
選 |
白井健介 |
シンプルにして像を結ぶ景の際やかさが快い一句。「枝垂れ梅」の「れ」は要らないようにも思いますが。 |
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| 手水より盥へ出世する目高 |
きっこ |
選 |
齋藤朝比古 |
次はポンプ付水槽だろうか。出世という前向きな捉え方が嬉しい諧謔。 |
| 感想 |
白井健介 |
ユーモラスな表現を試みておられ、微笑ましい句。 |
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| わきの下すっぽりはまる丸い猫 |
芽実 |
選 |
子子 |
うちの猫はすっぽりはまりません。腕枕です。 |
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| 師が回地球儀くるっと春兆す |
たか志 |
選 |
冬音 |
春の軽やかさって地球規模なの。 |
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| 文字だけの人に手がある顔がある |
子子 |
選 |
喜誉司 |
岡本太郎作の書みたいなのかなぁ。少しとぼけた感じが気に入りました。 |
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| 猿ゐて太古の月を嘗めまわす |
山口あずさ |
選 |
喜誉司 |
それで月が今の大きさになったとか・・・!? |
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| 0点句 |
| 雛人形凛としており骨董屋 |
冬音 |
感想 |
山口あずさ |
「骨董屋」以外の何かを持ってきて欲しかった。 |
| |
| 三月号入れての多き受賞作 |
一文無 |
感想 |
山口あずさ |
「入れての多き」というのがよくわからなかった。 |
| |
| 髪を切るその手に届け秘めた恋 |
芽実 |
感想 |
山口あずさ |
美容師に惚れてる? |
| |
| 手の込んだ作戦であり春嵐 |
たか志 |
感想 |
山口あずさ |
砂埃は目潰し作戦? |
| |
| 敬礼や先遣本隊東風の中 |
一文無 |
感想 |
山口あずさ |
「敬礼や」とういのがなんだかなぁという感じですが、「東風(こち)の中」に至っては???誰かに説明して欲しい。 |
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| 背中には美徳の香り春の小火 |
松たかし |
感想 |
山口あずさ |
「美徳」が匂いますかね? |
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| 手のひらを 天に翳して見える月 |
北雪 |
感想 |
山口あずさ |
ぼくらはみんな生きている♪ |
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| 鍵盤を踊る母子の指と風 |
雫 |
感想 |
山口あずさ |
「鍵盤を踊る」のは「指」に決まっているしなぁと思ってしまいました。 |
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| うかうかと時のオカリナ吹けば冬 |
子子 |
感想 |
山口あずさ |
「うかうか」と「吹く」というのがよくわからなかった。 |
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| みかん箱封したままの手紙たち |
喜誉司 |
感想 |
山口あずさ |
請求書が入っているような気も。。。 |
| |
| 肉厚の手に握られて冴返る |
一人 |
感想 |
山口あずさ |
好みのタイプじゃなかったのでしょう。きっと。 |
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| あと何度手に雪受けば春ラララ |
冬音 |
感想 |
山口あずさ |
「春ラララ」に対する前半部分がちょいと仰々しい。 |
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| 春の歌ゆらゆら流れ手風琴 |
冬音 |
感想 |
山口あずさ |
「手風琴」もゆらゆら流れるような。。。バッシッと決まる下五が欲しい。 |
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| 傷のある手首に頬摺りして眠る |
山口あずさ |
感想 |
山口あずさ |
悪い夢を見ないように。 |
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| ご破算で願いましての新学期 |
おりひめ |
感想 |
白井健介 |
「新学期」の気分としてとてもよく解ります。やっぱり〈願いましては〉とした方が宜いのではないかと私は思うのですが…。 |
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| リズムうつ君の指先春の音 |
雫 |
感想 |
白井健介 |
「春の音」という下五がちょっと期待はずれな感じで……惜しいと思う。 |
| |
| 梅の花のほてりわが手のほてりかな |
恵鶴 |
感想 |
山口あずさ |
「梅の花のてり」はぬくもりというよりも、色彩のような気がする。「わが手のほてり」は体温だろう。今ひとつしっくりとこない。 |
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| 二二八公園仏手柑の香りして |
草もち |
感想 |
山口あずさ |
二二八公園って、台湾にあるのですね。 |
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| 頤の皺に手を当てくぐる春 |
喜誉司 |
感想 |
山口あずさ |
頤(おとがい)に皺があるということは、老人なのか。 |
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| 粕汁のだらりだらりとだまされて |
夜来香 |
感想 |
山口あずさ |
「粕汁」って、好きなんですが「だらりだらり」と言われると、なんだか美味しくなさそう。。。 |
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| 不器用が形になったテディベア |
子子 |
感想 |
山口あずさ |
いっそう愛着がわきますね. |
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| ひつかき傷ひろがつて春三日月 |
夜来香 |
感想 |
山口あずさ |
アレルギーか? |
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| ぬくもりを伝ふ最期の手掌かな |
雫 |
感想 |
山口あずさ |
最期ということは、もうすぐ冷たくなってしまうんですよね。 |
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| 手袋を忘れたままにひな祭り |
松たかし |
感想 |
山口あずさ |
手袋を忘れてしまうことと、ひな祭りのポエム感がどうもつながらない。 |
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| 手練て練わかち難くて猫の恋 |
Ken1 |
感想 |
山口あずさ |
手練手管ではないのですね。意味がよくわからない句。 |