| 8点句 |
秋色のつけ爪に替へ占い師 |
showmaru |
特選 |
魚容 |
女性の占い師のもつ独特の色気を含んだ雰囲気を「秋色のつけ爪」で妙に納得させられます。うまいと思います。つけ爪の光沢から占い師の唇や瞳の光沢まで想像させられます。 |
| 特選 |
山口あずさ |
いかにも眉唾な感じがよくでています。 |
| 選 |
喜誉司 |
占われるのは嫌いですが、占うのはけっこう好きだったりします。 |
| 選 |
齋藤朝比古 |
「占い師」への展開に意外性あり。「秋色の」はきっちり五文字の季語を置いた方がよくなると思う。 |
| 選 |
松たかし |
つけ爪をする女性って占いが好きなような気がする。「占い師」がつけ爪しているのか、占い師につけ爪をした女性が手を見せているのか、ちょっと不明。 |
| 選 |
子子 |
この占い師さん、当たるのでしょうか? |
| 感想 |
見鳥 |
占い師の指は白く怪しく、爪はマロン色の秋景色。あの長い爪がつけ爪であったとは。けだるく空気をかき回す長い爪こそ占いの的中を保証していたのに。 |
| 感想 |
白井健介 |
《つけ爪を秋色に替へ占い師》という言い回しも出来るかな…。 |
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| 6点句 |
| 啄木鳥は木をつつくとき目を瞑る |
草もち |
特選 |
齋藤朝比古 |
「本当かなぁ」と思いつつも、この断定の潔さはイイ。俳句でしか詠えない世界。 |
| 選 |
白井健介 |
着眼が大変素晴らしいと思うが、原句のままの『トリビアの泉』に出てきそうなフレーズだと散文的すぎる憾みはある。せめて《木をつつくとき啄木鳥は目を瞑る》とするか、または《木をつつくとき目を瞑る啄木鳥よ》という手も。 |
| 選 |
たか志 |
啄木鳥と自分を重ねているんだと勝手に解釈して、共感できるものを感じたので採りました。 |
| 選 |
魚容 |
思わず、そうなの!?ってつぶやいてしまった。目を瞑るという動作、あるいは目を瞑ったまま何かをするということの味わい。 |
| 選 |
喜誉司 |
そうなんですか。 |
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| 5点句 |
| 葉脈の生命線や夏果つる |
夜来香 |
特選 |
たか志 |
「葉脈の生命線」というフレーズが新鮮でした。 |
| 特選 |
子子 |
おー、夏の終わりはそこで決まっていたのですか! |
| 選 |
松たかし |
葉脈に生命線を見立てて、はかなさは伝わってきます。 |
| 感想 |
いしぶつ |
植物ってすごい。たまにおもいしらされます。 |
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| 4点句 |
| 人事部に道を説かれる雨月かな |
草もち |
選 |
齋藤朝比古 |
大人の対応を迫られるせつな。雨月は作者の心情。しかし、大人の対応というのは嫌な言葉だ。 |
| 選 |
松たかし |
「雨月」がどうにも弱い。秋の夜と人事部とが結びつかない。でも、こんな「道」を句にしたところがいい。 |
| 選 |
山口あずさ |
このうざったさに一票。 |
| 選 |
魚容 |
イメージだけの問題なんだけど。どうもね、人事部って生臭い感じがして、高潔とは対極のイメージ。中秋の名月は雲の向こう側に、孤高に輝いています。 |
| 感想 |
見鳥 |
け、ざけんじゃねえよ。人事部なんかに道を説かれてたまるかい。年俸制、成果主義に翻弄されるサラリーマンはそれでも「辞めてやる」と啖呵はきれないのであった。 |
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| 犬を呼ぶ声アサガオで行き止まり |
松たかし |
特選 |
草もち |
何ともいえない路地の暮らしの風景が、17音で活写されていると思いました。 |
| 選 |
子子 |
こういう句を猫で詠んでみたいです。 |
| 選 |
齋藤朝比古 |
アサガオと声という取り合わせはやや陳腐。「行き止まる」作者の独自性。 |
| 感想 |
山口あずさ |
男子トイレじゃないですよね。失礼しました。。。 |
| 感想 |
見鳥 |
この犬はアサガオの生垣を抜けていってしまったか。アサガオの向こうは不思議の国でした、なんて。 |
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| ときどきは寂しくなりたい曼珠沙華 |
子子 |
選 |
魚容 |
曼珠沙華の赤と秋の空の青。もう原風景そのもので、なにかつぶやいてみたくなりますね。 |
| 選 |
齋藤朝比古 |
普段寂しいことのない作者。寂しくなりたい感覚はわかるようでわからない。自分が、結構寂しがりやだったりすることを、この句を読んで再認識した。 |
| 選 |
山口あずさ |
大家族なのかな。 |
| 選 |
たか志 |
何ともありがちな句だなあと思いましたが、(失礼。)ほかに採りたいのがなくて。(ほんとに失礼。) |
| 感想 |
見鳥 |
普通なら「一人になりたい」とでもするところ。「寂しくなりたい」がきいている。自分を甘えさせてあげて、自分にご褒美をあげて、という女性週刊誌のような自己愛がとても息苦しい。 |
| 感想 |
白井健介 |
いわゆる“甘い句”だと思うが、「曼珠沙華」を配した意図もよく解るし、内容的にはたいへん共感いたします。 |
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| 2点句 |
| 夏薊ペダルの軽き土手の道 |
たか志 |
選 |
白井健介 |
この句の清涼感はやっぱりすごく好きです。 |
| 選 |
喜誉司 |
この夏から自転車にこっています。 |
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| きぬぎぬの気怠を包む蝉時雨 |
一文無 |
選 |
松たかし |
今年の夏は蝉が小ぶりでした。かなり短期集中型で鳴きました。何かイライラしました。「気怠」ってどんな感じ? |
| 選 |
夜来香 |
わからなかったが、気になった句。 |
| 感想 |
白井健介 |
〈気怠さ包む〉なのではないでしょうか? |
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| 白粉の花信号のなき五叉路 |
齋藤朝比古 |
選 |
白井健介 |
「白粉の花」の利かせ方が絶妙だと思います。 |
| 選 |
草もち |
入り組んだ住宅街の一角。子供の通学路の光景でしょうか。好きな句ですが、似た雰囲気の「アサガオで行き止まり」と比べると、少し弱かったかもしれません。 |
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| エノラ・ゲイ何が見えたか夏の道 |
魚容 |
特選 |
喜誉司 |
少なくても未来は見えなかった。 |
| 感想 |
山口あずさ |
パイロットのお母さんの名前なんですよね。原爆を落としたことを誇りに思い続ける人間というのは、幸福なんだろうか。。。。 |
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| 行く道や蝉の抜け穴泣く女 |
松たかし |
特選 |
夜来香 |
蝉と泣く女の取り合わせが良い。シュール。 |
| 感想 |
白井健介 |
この明らかな三段切れはまずいですよね…。 |
| |
| 月白やガスバーナーの焦がす菓子 |
齋藤朝比古 |
特選 |
白井健介 |
「月白」という設定により趣豊かな場面を構成することに成功している。賛。 |
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| くるぶしに風うけてをり浴衣かな |
魚容 |
特選 |
松たかし |
浴衣の人は女性。ちらちらと覗くくるぶしに作者は色気を感じている。発見は通俗的だが全体をさわやかにまとめあげているところがいい。 |
| 感想 |
白井健介 |
「浴衣かな」と「かな」で結んでいるのならば「うけており」と軽く切れるのを避けて〈うけてゐる〉と繋げた方が宜いです。ただ「うけて」それ自体にもうひと工夫あればもっと佳い句になると思う。私なら例えば《くるぶしをくすぐる風も浴衣かな》というふうにイメージしますけど…。 |
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| 長かりし線香花火四十路かな |
夜来香 |
選 |
喜誉司 |
良い方に解釈しました!? |
| 選 |
山口あずさ |
打ち上げ花火程の幸運もなく、かと言って、まったく何もなかったわけではなく、と言った感じでしょうか。 |
| 感想 |
白井健介 |
「長かりし」ってことは日本製のちゃんとした「線香花火」な訳ですね。 |
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| 1点句 |
| 想はれてゐると想ふと想ふ夏 |
山口あずさ |
選 |
子子 |
やっぱり想うが一つ多いんじゃないの?と考えるけど、よーく読むと納得!というパズルのような句。 |
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| 想はれてゐると想ふと想ふ夏 |
山口あずさ |
感想 |
白井健介 |
はじめ「想ふ」が一つ多いのではないかと思ったが、これでいいみたい…。 |
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| 明日まで待てない萩の花盛り |
子子 |
選 |
魚容 |
どうしても自然と山頭火風に読んでしまうけど、うまいなぁ。地味な萩の花が盛り。明日まで待てない切迫感。地味な花だけに心の奥底に燃え上がるものを感じてしまいます。 |
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| 核心に迫る論客稲光 |
たか志 |
選 |
山口あずさ |
マンガチックな光景ですが、いい感じ。 |
| 感想 |
齋藤朝比古 |
稲光がつき過ぎではあるが、「カ音」の韻律に力がある。 |
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| 吾子昼寝入道雲が伸びてゆく |
魚容 |
選 |
夜来香 |
ぐんぐんと大きくなれよ。 |
| 感想 |
齋藤朝比古 |
平和的風景。癒されます。 |
| 感想 |
白井健介 |
「伸びてゆく」を〈育ちゆく〉としてみるのも佳いかも。 |
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| 秋雲のゆく方選び別れ道 |
showmaru |
選 |
たか志 |
分かれ道ではなく、別れ道としたのは意図的なのかなと。その思いへの1票です。 |
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| 餓鬼道も楽しからずや放屁虫 |
草もち |
選 |
夜来香 |
思わず、ぷっと笑いそうになった。 |
| 感想 |
山口あずさ |
飢えているものが、放屁をするだろうか?と思ってしまいました。 |
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| 夕立に右往左往の道と空 |
喜誉司 |
選 |
子子 |
近頃右往左往したことがないです。してみたい。 |
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| 累々と蝉の死骸や冷えていく |
松たかし |
選 |
夜来香 |
かさこそとした音も聞こえてきそうだ。 |
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| おまんまを山盛りにして涼新た |
齋藤朝比古 |
選 |
白井健介 |
“シンプル”なところがとても佳いと思った一句です。 |
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| 新涼やジョギングシューズ下ろし立て |
たか志 |
選 |
showmaru |
大人になっても新しいスニーカーを履く時はうれしい。 |
| 感想 |
白井健介 |
「新涼」の“新”が「下ろし立て」という情趣にちょっと即し過ぎちゃっている感じのところが惜しいと思います。気分の良さはとてもよく分かる句です。 |
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| 続くだけ 続けよ茨の 介護道 |
天音 |
選 |
草もち |
俳句になっているかどうか、すれすれだと思います。(いや、なってないのかも?)でも、これを詠んだ方の境遇、そしてその中での「強さ」に惹かれて、一票投じます。(「茨の介護道」って、なかなか言えませんよ!) |
| 感想 |
白井健介 |
ほんとうに大変であられましょう。お察し申し上げます。 |
| 感想 |
山口あずさ |
90歳で亡くなった祖母の介護は母がしましたが、その母は祖母を見送った5年後に70歳で亡くなりました。通夜の日、やはり実母の介護をした叔母がわたしに「こんなことを言うのは酷かも知れないけれども、最大の子孝行よ」と言いました。現実とは、厳しいものです。 |
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| 長きこの信号待つも休暇明 |
白井健介 |
選 |
showmaru |
待ってる間もボーとしてることあるなあ。 |
| 感想 |
白井健介 |
〔自解〕:「待つ」は不用であったとつくづく反省し、後刻その点を改良させて戴きました。 |
| 感想 |
齋藤朝比古 |
てだれの句ですね。「この〜も」という言い回しがやけに俳句的で好きになれない・・・。 |
| |
| へび己己(こき)と国分け道の偏頭痛 |
一文無 |
選 |
草もち |
へびのくねる様を「己己」と表現し、「国分け道」に「偏頭痛」・・・。盛り込みすぎじゃないかと思う一句ですが、この冒険心は買いたいです。 |
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| 廃船に落書きは増へ夏の果 |
showmaru |
選 |
たか志 |
廃船 落書き 夏の果 ちょっと揃いすぎです。推敲の余地ありと思いますが・・・。 |
| 感想 |
白井健介 |
「増へ」は〈増え〉の誤りでしょうね。わたしの印象では〈落書きの増え〉とする方が好きだなぁという感じがしました。 |
| 感想 |
いしぶつ |
アート落書き。法にふれない程度ならたのしくていいと思います。 |
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| 地球号戦の星に近づきぬ |
山口あずさ |
選 |
草もち |
ちまたでは「火星が接近する」と言ってましたが、地球のほうが近づいているんだ、という逆の視点にまず驚きました。そして、その近づく先が「戦の星」とは不気味です。ただ、「地球号」という言い方が、やや安っぽいかな?と思わないでもありません。 |
| 感想 |
いしぶつ |
戦争反対!でもワクワク。 |
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| 0点句 |
| 彼岸への旅の途中の白露道 |
井上藤太郎 |
感想 |
山口あずさ |
「彼岸への旅の途中」とは人生半ばということでしょうか。 |
| |
| 油照り最上三里は船で行く |
一文無 |
感想 |
山口あずさ |
この句には、何か下敷きがあるのだろうか? |
| |
| 原爆忌鴉ごときの罪なんて |
白井健介 |
感想 |
山口あずさ |
鴉がゴミを散らかすくらい何でもないですね。ところで、日本に原爆が落ちていなかったら、日本にはまだ婦人参政権がなく、天皇陛下万歳と言って死ぬのが美徳で、徴兵制があったのでしょうか。もし、そうだったとしても、原爆が落ちなかった方がよかったと思います。死体の山の上に築かれなければならない民主主義って何なのでしょう。 |
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| 借り物の言葉うらはら夏嵐 |
子子 |
感想 |
山口あずさ |
流行歌(演歌か?)のような一句。 |
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| 弓の字の道をたどりて行善寺 |
喜誉司 |
感想 |
山口あずさ |
実際に弓の字の道なのでしょうね。 |
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| 道端に神が手植えし黄タンポポ |
井上藤太郎 |
感想 |
山口あずさ |
神々しいタンポポ。凛と立っているのでしょう。 |
| |
| 蛞蝓が貝殻背負って道に出で |
喜誉司 |
感想 |
白井健介 |
つまり“かたつむり”ってそうなわけ?……そうだったのかぁ…。 |
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| 歩道橋八月尽の日照雨(そばえ)あと |
白井健介 |
感想 |
白井健介 |
〔自解〕:今年の8月31日の近所の実景を詠んだのですが、「八月尽」はこの句の中であまり効いてないでしょうかねぇ? |
| 感想 |
山口あずさ |
今年の八月は尽ききらなかったような気がしますね。 |
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| 明日こそ道亡き道は黄金の道 |
芽実 |
感想 |
山口あずさ |
冒険のはじまりか。 |
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| 青い空汗を見ながら夏(懐)かしむ |
りなっぺ |
感想 |
山口あずさ |
「夏(懐)かしむ}の効果が疑問です。 |
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| 失いし言葉の抽出原爆忌 |
山口あずさ |
自解 |
山口あずさ |
黙祷一分を詠んでみました。 |
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| トムヤムクン熟れたをんなの三四人 |
夜来香 |
感想 |
見鳥 |
熱くて辛いタイ料理。熟女が3、4人もいれば暑苦しさもひとしお。厚化粧のむせ返る匂いまで迫ってきそう。 |
| 感想 |
白井健介 |
「三四人」という措辞の効果は疑問。〈四人組〉とか言ってくれた方が好いように思えた。内容に関してはかなり好きです。 |
| 感想 |
いしぶつ |
をんなっていうのがなんかいいですね。トムヤムクンってことばとなぜかお似合いです。 |
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| 秋立ちて未だインタ−ネット道半ば |
井上藤太郎 |
感想 |
いしぶつ |
道半ばなときがいちばんおもしろうございます。ネットはほんとに奥が深すぎです。 |